欲望と真理、それとは別の何か

口づけはしたくない

抱いて穢すなんてなおさら

地べたに仰向けの蝉をつまみ上げ

「役目は果たしましたか」と訊ねる


不思議だろ

でも強がりでも冗談でもない

繰り返し繰り返す命のサイクルの中で

当然のように決められたアスファルトは

こんなにも歩きづらく

喧噪は悠々と僕を追い越してゆく